低分子創薬のその先へ

ラクオリア創薬は、イオンチャネルやGPCRを標的とした低分子創薬を強みとしています。これまでに培った技術や経験を発展させながら新しい創薬技術やアイデアを取り入れることで、これまでになかった新薬の研究開発に取り組んでいます。

低分子創薬のための充実した創薬基盤

ラクオリア創薬は、化合物のデザイン・合成から評価、解析までを短期間で効率良く進める創薬プラットフォームを自社で整備しています。自動合成装置や自動精製システムにより週に200化合物以上の供給が可能な合成力や、それらの大量の化合物を適切かつ迅速に評価するスクリーニング評価力が低分子創薬の進展を支えています。また、積み重ねたノウハウと卓越した電気生理学的評価能力は、イオンチャネル創薬における不可欠な技術です。これらの創薬技術を集結することで、低分子創薬研究を迅速に推進しています

イオンチャネルを軸とした創薬の展開

イオンチャネルとは、特定のイオンを透過させる”ゲート”の役目を担う膜タンパク質の総称です。体内では、これらのイオンチャネルが細胞膜に局在しており、イオンチャネルを通して細胞内外にイオンが流れることで様々な生理的現象が現れます。

電気化学的なシグナルは生理現象に重要であり、神経伝達、筋収縮、ホルモン分泌、細胞の増殖・浸潤などの生理現象に利用されています。イオンチャネルの機能異常や不全は、疾患や病態の引き金になることが知られており、イオンチャネルは医薬品の重要な創薬ターゲットとされています。

しかし、イオンチャネルを標的とした医薬品は全体のわずか5%程度であり、難易度の高い創薬ターゲットとされています。その背景には、生体における電気化学的シグナルの評価の難しさや、副作用を回避するための標的選択性が高い化合物デザインの難しさがあり、高い創薬技術が必要とされる要因が考えられます。

注力疾患領域の拡大へ

疼痛・消化器領域から、神経疾患・がん・遺伝性疾患へ

ラクオリア創薬は、バイオロジストによる熟練した高度な電気生理学的な評価能力や、メディシナルケミストによる化合物のデザイン・合成力などの卓越した技術を誇ることで、低分子創薬のなかでも特に「イオンチャネル創薬」の実績を築いてきました。消化器領域では、ラクオリア創薬から生まれた化合物が臨床開発を経て製品化され、すでに世界中の多くの患者さんのもとへ新薬として届けられています。

イオンチャネルは様々な生理現象に関与していることから、イオンチャネル創薬技術は、多様な疾患領域への展開が可能であると考えられます。これまで培ってきたイオンチャネル創薬のノウハウを生かし、疼痛・消化器領域から神経疾患・がんへと注力領域を拡大しています。さらに、オープンイノベーションによる新しい知見や技術を外部から取り込むことで、より開発の成功確度が高いことが見込まれる遺伝性疾患に注力することができ、未だ医療ニーズが満たされていない疾患における医薬品の創製を実現します。

イオンチャネル創薬における疾患領域の拡張