患者さんを第一に考えた薬づくりのために
創薬研究は、患者さんや医療現場に寄り添い、ニーズに耳を傾けることから始まります。真に必要とされる新薬とは何かを考え、病気について様々な角度から広く深く理解することが、わたしたち研究者に求められています。
基礎研究から得られた科学的な知見をもとに、新薬の標的やコンセプトを組み立て、探索研究を通じて新薬の種となる開発候補品を創り出します。そして、前臨床開発において安全性や有効性が認められた開発候補品のみが、開発品として人での効果を検証する臨床開発に進められます。
わたしたちは、基礎研究から患者さんでの効果がコンセプトに沿っているかを確認する前期第II相臨床試験までをスピーディーに進めるとともに、サイエンスに基づく広範なデータをしっかりと取得することを第一に考え、創薬研究を行っています。
創業以来、主に疼痛や消化器疾患の創薬研究に注力し、イオンチャネルを標的とした低分子創薬を強みに成果を上げてきました。イオンチャネルは様々な疾患に関与していることが知られていますが、難易度の高い創薬ターゲットであり、長年の課題となっていました。この問題を解決するため、わたしたちはタンパク質構造解析技術やインフォマティクス技術の導入に取り組んでいます。
医薬品の主流はこれまで低分子化合物でしたが、近年は抗体などの高分子バイオ医薬品、再生医療や遺伝子治療などが多く使われるようになり、いわゆる「創薬モダリティ」の多様化が進んでいます。新規の創薬モダリティの出現により、従来の低分子化合物では狙うことが難しい創薬ターゲットに対する開発候補品の創出が可能になり、これまで治療法がなかった病気に対する新薬が生まれてきています。
わたしたちはこれまでに培った技術や経験を発展させつつ、より多様な疾患・標的に対する創薬を可能とするために、疾患領域の拡大に向けて新しい創薬技術を取り入れた薬づくりに取り組みはじめています。
低分子創薬を強みとし、新規モダリティによる注力疾患領域の拡大を目指しています。
近年、創薬技術はこれまでにない速さで進化しています。ラクオリア創薬が創薬研究のトップランナーであるためには、内部技術の強化だけでなく、外部からも積極的に最新の技術やアイデアを取り入れる必要があります。
従来の大手製薬企業とのコラボレーションだけではなく、新しい創薬技術を有するアカデミアやスタートアップ・ベンチャー企業との共同研究を推進することで、お互いの強みを融合した次世代型創薬バリューチェーンを構築していくことが重要です。
アカデミアやスタートアップ・ベンチャー企業との協業により、次世代型創薬バリューチェーンの構築に向けて取り組んでいます。