このたび、当社の導出先であるHK inno.N Corporation(本社:韓国・オソン、以下「HKイノエン社」)は、提携先であるDr. Reddy’s Laboratories(本社:インド・ハイデラ バード、以下「Dr. Reddy’s社」)がインドにおいて販売承認の申請を行っている胃酸分泌抑制剤tegoprazan(以下「tegoprazan」)について、インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO:Central Drugs Standard Control Organization)傘下の専門委員会がtegoprazanの承認を勧告する意見を出したことを発表しました。

 

対象となる医薬品はtegoprazan 25 mg錠と50 mg錠の二つです。専門委員会は、tegoprazan 50 mg錠についてびらん性胃食道逆流症、非びらん性胃食道逆流症および胃潰瘍の3つの適応症に関する承認を勧告し、tegoprazan 25 mg錠についてはびらん性胃食道逆流症治癒後の維持療法に関する承認を勧告しました。加えて、ヘリコバクター・ピロリ感染症の治療を目的とした併用療法についてはインド国内で第Ⅲ相臨床試験を行うことが勧告されました。

 

Tegoprazanは、当社が創出したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium Competitive Acid Blocker : P-CAB)と呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌抑制剤です。P-CABは、胃食道逆流症治療の第一選択薬であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)とは異なるメカニズムで、PPIよりも速やかに、かつ、持続的に胃酸分泌を抑制するという特長を持つ新世代の治療薬です。インドにつきましては、2022年、HKイノエン社とDr. Reddy’s社の間でインド、南アフリカ共和国および東ヨーロッパなど計7カ国を対象とする製品輸出に関する契約が締結され、以後、Dr. Reddy’s社が承認取得および臨床開発等の取り組みを進めてきました。インドの消化性潰瘍剤の市場規模は、中国、米国、日本に続き、世界第4位です。今回の勧告により、2025年中の承認取得が期待されます。

 

当社は、HKイノエン社との間で、日本を除く全世界の開発・製造・販売に関する再実施許諾権(サブライセンス権)付き独占的ライセンス契約を締結しています。HKイノエン社および同社からライセンスまたは製品輸出を受けた世界各国の提携先企業によってtegoprazanに関する事業活動が進められており、これまでに世界46カ国に進出しています。現在、韓国、モンゴル、中国、フィリピン、インドネシア、シンガポール、メキシコ、ペルー、チリおよびコロンビアの計10カ国でtegoprazan製品が販売されているほか、第Ⅲ相臨床試験が進行中である米国を含む36カ国において、発売準備、承認審査、臨床試験等の取り組みが行われています。

 

当社は今後も引き続き、提携先との連携をより強固にし胃酸関連疾患治療の選択肢を広げることで、患者さんのQOLの向上に一層貢献できるよう努めてまいります。

以上

<ご参考>
HKイノエン社ウェブサイト(韓国語): https://www.inno-n.com/pr/news/view/1/1002?sch_text=