このたび、当社の導出先であるXgene Pharmaceutical Co. Ltd.(昌郁醫藥有限公司;本社:香港、CEO: 徐景宏 博士、以下「Xgene社」)が、当社がXgene社に導出した新規TRPM8遮断薬(RQ-00434739/XG2002、以下「本化合物」)の臨床試験開始に向けた取り組みの状況を発表しました。
今回の発表は、2021年9月に当社がXgene社と締結したライセンス契約に基づく本化合物の研究開発の進捗に関するものです。

 

Xgene社は、12月20日、本化合物の豪州における第Ⅰ相臨床試験の開始に向けて、現地の臨床試験施設であるCMAX Clinical Researchとの協業を開始したことを同社のウェブサイトで発表しました(https://xgenepharm.com/news-cn/?lang=zh-hans(中国語))。
また、この発表では、Xgene社が実施した前臨床試験において、本化合物が様々な疼痛モデル動物で良好な鎮痛効果を示した一方、心血管系・呼吸器系・中枢神経系には影響を及ぼさないという結果が得られたことが述べられています。さらに、本化合物は薬物動態の観点でも良好な特性を示したとのことです。
あわせて、Xgene社は、豪州での第Ⅰ相臨床試験によって本化合物の安全性、忍容性、薬物動態等に関するデータを取得した後、中国および米国でがん性疼痛と神経因性疼痛を対象とした第Ⅱ相臨床試験に進める方針を示しています。

 

当社は、Xgene社とのライセンス契約に基づき、開発段階に応じたマイルストンおよび販売額に応じたロイヤルティを受け取る権利を保有しています。当社は今後も引き続き、Xgene社との連携のもと、疼痛治療の新たな選択肢の提供を通じて痛みに苦しむ患者さんのQOLの向上に一層貢献できるように努めるとともに、当社の企業価値の向上を図ってまいります。

以上


【TPRM8遮断薬について】
TRPM8は、28度以下の冷刺激またはメントール(ミントの成分)によって活性化される温度感受性イオンチャネルであり、慢性疼痛をはじめとする様々な慢性疾患への関与が示唆されています。当社が創製したTRPM8遮断薬であるRQ-00434739は、慢性疼痛のモデル動物において既存薬とは異なる作用機序で効果を示し、このことから、今なお治療満足度の低い慢性疼痛に対する画期的な新薬となることが期待されます。