新年あけましておめでとうございます。

まず、新型コロナウイルス感染症による影響を受けられた方々に謹んでお見舞い申し上げます。そして、医療現場の最前線で治療に当たっている医療機関の皆さまや、感染拡大の防止のために年末年始もご尽力されている多くの方々に感謝申し上げます。

また、当社グループ社員や株主様、投資家様及びパートナー様をはじめとするステークホルダーの皆様には平素より当社をご支援賜り厚く御礼申し上げます。

私たちは、これまで疼痛管理及び消化器疾患を中心に創薬に取り組み、パートナー企業を通じて4剤を上市してきました。販売国も日米欧韓、そして2022年12月期は、中国が新たに加わりました。2023年以降もパートナー企業によってさらに拡大していく見通しです。

業績は、2022年11月17日に公表したとおり、2021年12月期に引き続いて2022年12月期も営業黒字となる見通しです。目標は概ね達成していますが、1年に1件以上の導出という目標は未達に終わりました。ただ、複数の商談が継続しており、2023年12月期中の妥結に向けてより一層努力してまいります。

一方で、世界情勢は、決して楽観できるものではありません。ロシアによるウクライナ侵攻に代表される地政学リスクの顕在化や米中の経済摩擦等、先行きは不透明さを増しております。

国内の医薬品・バイオ産業を取り巻く環境も悪化の一途を辿っています。理不尽な薬価引き下げ政策により日本では上市されない新薬や供給不足になるジェネリック医薬品が続出し、医薬品後進国になっていることがいよいよ顕在化してきました。医薬品を一人でも多くの患者に届けるという使命を果たす上で憂慮すべき状況が国内は続くものとみております。私たちの収益基盤である販売ロイヤルティは海外比率が高いため、収益への直接的な影響が少ないのが不幸中の幸いです。

もちろん、ネガティブな話ばかりではありません。海外に目を転じれば、がんや遺伝性疾患等の様々な適応症、或いは新しいモダリティやDX等を切り口とした研究開発やライセンス契約、M&Aが止まることなく進められています。日本国内においても製薬会社とバイオベンチャー、或いはバイオベンチャー同士のアライアンスが行われています。

私たちも2022年12月期に公表ベースで4件の共同研究を国内のベンチャー企業と開始しました。2023年12月期も、将来の企業価値を向上させるために研究開発を拡充し、加速させるためにより積極的な設備投資及び戦略投資を行う方針です。

創薬による社会への貢献を果たすことで企業価値の最大化を図るために役職員一丸となって一層、精進してまいる所存です。今年もよろしくお願いします。

2023年1月

ラクオリア創薬株式会社

代表取締役 武内 博文