あけましておめでとうございます。

まず、新型コロナウイルス感染症による影響を受けられた方々に謹んでお見舞い申し上げます。そして、医療現場の最前線で治療に当たっている医療機関の皆さまや、感染拡大の防止のために年末年始もご尽力されている多くの方々に感謝申し上げます。

また、当社グループ社員や株主様、投資家様、パートナー様をはじめ、関係各位より賜りました旧年中のご支援ご厚情への深い感謝とともに新年のご挨拶を申し上げます。

2021年の総括

昨年3月25日開催の第13回定時株主総会で株主の皆様に選任いただいて約9か月が経ちました。昨年4~6月は、社員との1 on 1を踏まえて新たな中期経営計画の策定を行いました。中期経営計画で掲げた4つの目標の達成状況を整理しますと以下のとおりです。中期経営計画の初年度と道半ばですが、役職員が全力で取り組んだ結果、計画以上の成果をあげることができました。

収益 2021年12月期から2023年12月期間の3期の黒字化:2021年度は達成の見通し
研究 2023年12月期までに開発候補化合物2個を創出:現在、実施中
開発 2023年12月期までにグレリン受容体作動薬の前臨床試験終了:現在、実施中
2023年12月期までに導出準備プログラムの中から1つ次の段階の治験申請:現在、プログラム選定を終え、具体的なプランを策定中
導出 導出準備プログラムおよび新規医薬品候補化合物から年1件の契約締結:2021年は2件契約締結

一方で中止を決定したものもあります。米国拠点の閉鎖と複数本の未公表の探索研究段階プログラムです。皆様もご承知のとおり、研究開発は「try and error」の繰り返しであり、失敗する可能性を0%にすることはできません。今後も中止すべきと判断したものは、可能な限り速やかに判断をしてダメージを最小限に留めるとともに、新たな機会創出に繋げることで企業価値の向上を図ってゆく方針です。

2022年の展望

2019年から続く新型コロナウイルス感染症の脅威も、昨年はワクチンの普及と治療薬の承認によって世界的に改善の兆しを見せつつあります。しかしながら、国や都市によっては再度のロックダウンを余儀なくされたり、新型変異株の登場など依然として予断を許さない状況にあります。

経済の面では、新型コロナウイルス感染症対策として、各国政府が公的資金投入などの様々な方法で対策を講じてきましてが財政的な限界を迎えつつある国も少なからず出てきており、また米中貿易摩擦や地政学的なリスクが高まる中で先行きの不透明さが増しております。

こうした中、バイオ産業は、新型コロナウイルス感染症のワクチンや治療薬は元より、がんや遺伝性疾患等の様々な適応症、或いは新しいモダリティやDX等を切り口とした研究開発やライセンス契約、M&Aが止まることなく進められています。

当社もこうした状況を踏まえて、中期経営計画で新たに追加拡充した「領域の拡充・新技術の獲得に向けた取り組みを強化」により一層、注力する他、「プログラムの価値向上を目的とした取り組みの強化」、「導出活動・提携先との協業関係の維持・強化」も継続的に取り組んでまいります。

具体的な取り組みや数値計画は、改めて2022年2月14日に公表する予定です。創薬による社会への貢献を果たすことで企業価値の最大化を図るために一層、精進してまいる所存です。今年も1年、宜しくお願いします。

2022年元旦

ラクオリア創薬株式会社

代表取締役社長 武内 博文