2022年2月2日(米国時間)、当社連結子会社のテムリック株式会社(以下「テムリック」)の導出先であるSyros Pharmaceuticals Inc.(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、以下「シロス社」)は、テムリックが同社に導出したレチノイン酸受容体α作動薬(タミバロテン/TM-411/SY-1425、以下「タミバロテン」)につきまして、米国食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)より骨髄異形成症候群 (MDS)を対象としたオーファンドラッグ指定を受けたことを発表しましたのでお知らせします。

オーファンドラッグ指定とは、FDAが米国内の患者数が20万人未満の稀な疾病の治療に対する薬剤開発を支援するために与えているものです。オーファンドラッグ指定を受けた薬剤が承認された場合、7年間の市場独占性、要件を満たした臨床試験に対する税額控除やFDA承認申請費用の免除等のメリットを受けることができます。

タミバロテンは、現在、米国においてFirst-in-classの経口治療薬として、RARA陽性未治療高リスクMDS患者群に対してアザシチジンとの併用にて第III相臨床試験(SELECT-MDS-1)が進行中であり、シロス社は試験データの公表を2023年の第4四半期ないし2024年の第1四半期に行い2024年中にNDA申請を行うことを計画しています。

シロス社のChief Medical OfficerであるDavid A. Roth 氏は以下のように述べております。

「FDAのオーファンドラッグ指定はタミバロテンのMDS治療薬開発において重要なマイルストンです。タミバロテンはその特長である「新規な作用機序・有望な臨床データ・経口投与薬である利点・高い安全性」により、MDS患者全体の約30%を占めるRARA陽性高リスクMDS患者に対し新たな有用な治療選択肢となるでしょう。シロス社は高リスクMDSを対象とした世界初となる治療法の開発に取り組んでおり、現在進行中のSELECT-MDS-1試験をこれからも推進してまいります。」

このほか、シロス社はRARA陽性の未治療unfit(高齢者等標準化学療法に不適)急性骨髄性白血病(AML)を対象としてタミバロテンをベネトクラクス/アザシチジンと併用した三剤併用療法の第II相臨床試験(SELECT-AML-1)を実施中であり、本試験の導入安全性試験の結果は本年後半に公表される予定です。なお、タミバロテンはAMLにつきましても既にオーファンドラッグの指定を受けております。

テムリックは2015年9月に、北米および欧州におけるタミバロテンのがん治療薬としての開発販売権をシロス社に許諾するライセンス契約を締結しており、開発段階に応じたマイルストンおよび販売後のロイヤルティを受けとる権利を保有しております。

テムリックは、シロス社との連携をより強固にすることにより、必要とされる支援を遅滞なく実施するよう務め、今後のマイルストン収益およびロイヤルティ収益の早期獲得を目指して、効率良い業務マネジメントにおいて尽力して参ります。

【ご参考】

シロス社の公式発表は、シロス社のホームページをご覧ください。