2021年12月20日、 HK inno.N Corporation(本社:韓国ソウル市、代表取締役:Seok-Hee Kang、以下「HKイノエン社」)は、当社がHKイノエン社に導出した胃食道逆流症治療薬tegoprazan(韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、以下「K-CAB®」または「tegoprazan」)につきまして、びらん性胃食道逆流症の維持療法を対象とした第Ⅲ相臨床試験(以下「フェーズ3試験」)に関する結果を公式に発表しましたのでお知らせいたします。

本発表は、びらん性胃食道逆流症が治癒した患者に対する維持療法におけるK-CAB®の有効性と安全性を、既存薬(プロトンポンプ阻害剤(PPI)であるランソプラゾールを比較対照として評価することを目的として行われたフェーズ3試験の結果に関するものです。

韓国のびらん性胃食道逆流症が治癒した患者がtegoprazan 25 mg、ランソプラゾール 15 mgの2群に無作為に割り付けられ、これらの薬剤が1日1回、24週間にわたって投与された比較試験の結果が報告されています。本試験において、tegoprazan 25 mg投与群と、ランソプラゾール 15 mg 投与群ともに治癒の維持率は高く、tegoprazan 25 mg投与群はランソプラゾール 15 mgに対して、非劣性を確認いたしました(評価対象人数tegoprazan:138人、ランソプラゾール:124人)。また、安全性に関して群間での差はなく、なく、24週までの安全性に問題のないことが確認されました(評価対象人数tegoprazan:173人、ランソプラゾール:174人)。

このフェーズ3試験の結果に基づいて、HKイノエン社は、びらん性胃食道逆流症が治癒した患者に対する維持療法の追加適応について、韓国食品医薬品安全処(MFDS)に申請することを計画しています。

当社はHKイノエン社との間で2010年9月にtegoprazanの東アジア地域を対象とした開発・販売及び製造に関する独占的ライセンス契約を締結しました。HKイノエン社は韓国でtegoprazanの開発を進め、2019年3月に韓国で30番目の新薬「K-CAB®」として上市しました。K-CAB®は現在、韓国国内において、びらん性胃食道逆流症、非びらん性胃食道逆流症、消化性潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ除菌の併用療法など、合計4つの適応症で承認されています。HKイノエン社は、その他の国や地域についても、中国、東南アジア、中南米等の有力企業にtegoprazanのサブライセンス権を付与しており、市場を順次開拓しております。

当社は今後も引き続き、tegoprazanの価値最大化に向けてHKイノエン社との連携をより強固にし、世界各地の多くの患者さまに同薬を届けることにより、消化器疾患治療の選択肢を広げ、患者さまの生活の質(QOL:Quality of Life)の向上に一層貢献できるよう努めてまいります。

以上

<ご参考>

HKイノエン社の公式発表は、HKイノエン社のホームページをご覧ください。

【用語解説】

維持療法: びらん性胃食道逆流症において、治療により内視鏡によるびらん所見が治癒した後、治癒した状態を維持するための治療
無作為に割り付け: 患者さんの特性や何らかの条件によらず、どちらの治療を受けるかを公正中立な第3者による、特定の意図によらない(無作為な)方法によって決めること
非劣性試験: 被験薬の有効性が対照薬に比較して劣らないことを示すための試験のこと。対照薬の効果が一般的であり同様の効果が強く求められる場合や、プラセボ(偽薬)を用いた対照試験が困難な場合に実施されることが多い