2021年のノーベル生理学・医学賞は、温度受容体および触覚・機械的刺激受容体の発見の功績により、デービッド・ジュリアス・米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校教授とアーデム・パタプティアン・米国スクリプス研究所教授に授与されることとなりました。 当社は、両教授の受賞に心からの敬意と祝意を表します。

ノーベル財団ウェブサイト(ノーベル生理学・医学賞)

触覚や温度、痛みといった感覚は、我々ヒトを含む動物が周囲の環境を把握する上できわめて重要なものですが、これらの感覚の制御がどのように行われているかは長い間明らかになっていませんでした。 両教授らは、温度受容体であるTRPV1ならびにTRPM8、および触覚・機械的刺激受容体であるPIEZO1ならびにPIEZO2などのイオンチャネルの発見と機能解明を通じ、これらのイオンチャネルが感覚の制御に果たしている役割の解明において、先駆的かつ本質的な研究成果を上げてこられました。 現在では、イオンチャネルは、痛みや熱の情報を脳に伝えるだけでなく、ホルモンの分泌なども含む幅広い生理機能の制御に関わっていることが分かってきています。

当社は創業以来、イオンチャネルを標的とした創薬に取り組んできました。当社が本年9月22日に締結したライセンス契約の対象であるTRPM8遮断薬をはじめ、様々なイオンチャネルの機能を調節する化合物を複数創出することに成功し、非公開または審査中のものを含む多くの特許を保有しています。 当社は、これまで培ったイオンチャネル創薬の成果に立脚して、未だ医療ニーズが十分に満たされていない慢性疼痛をはじめとする疾病の治療薬の研究開発に取り組み、世界の患者さまの健康と福祉に貢献できるように引き続き努力を重ねて参ります。

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