このたび、当社の導出先であるHK inno.N Corporation(本社:韓国ソウル市、代表取締役:Seok-Hee Kang、以下「HKイノエン社」)は、当社からHKイノエン社へ導出した胃食道逆流症治療薬tegoprazan(韓国販売名(韓国登録商標):K-CAB®、/LXI-15028、以下「tegoprazan」)につきまして、中国のサブライセンス先であるShandong Luoxin Pharmaceutical Group Stock Co., Ltd.(以下「Luoxin社」)との間で新たなサブライセンス契約(以下、「本契約」)を締結しましたのでお知らせいたします。

本契約は、中国におけるtegoprazanの注射剤の開発および販売に関するものです。現在、Luoxin社は、tegoprazanの経口剤の販売承認の取得に向けた取り組みを進めておりますが、本契約によりtegoprazanの新剤型として注射剤が追加されることによって、胃食道逆流症の患者さまに新たな治療の選択肢が加わることが期待されます。

Tegoprazanは、当社が創出したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)と呼ばれる新しい作用機序の胃酸分泌抑制剤です。P-CABは、胃食道逆流症治療の第一選択薬であるプロトンポンプ阻害剤(PPI)とは異なるメカニズムで、PPIよりも速やかに、かつ、持続的に胃酸分泌を抑制することから、PPIに代わる新しい酸関連疾患治療薬となることが期待されております。

中国につきましては、HKイノエン社は2015年10月に、Luoxin社との間で、tegoprazanの中国におけるサブライセンス契約を締結し、以後、Luoxin社が中国における臨床開発を行ってきました。びらん性胃食道逆流症を対象とした第Ⅲ相臨床試験における主要評価項目の達成を受けて、今年初めにtegoprazan経口剤の新薬承認申請(NDA:New Drug Application)が行われ、2022年第1四半期の販売開始を目指しております。

本件に伴って当社が受け取る契約一時金収入はございませんが、当社は、HKイノエン社とのライセンス契約に基づき、販売後のロイヤルティを受け取る権利を保有しております。

当社は今後も引き続き、HKイノエン社との連携をより強固にし、開発支援並びにサブライセンス契約支援を継続して実施し、tegoprazanによる胃食道逆流症治療の選択肢を広げることで、患者さまのQOLの向上に一層貢献できるよう努めてまいります。