2020年10月9日開催の取締役会で取締役副社長執行役員に就任した渡邉修造からのメッセージを掲載いたします。
【渡邉修造よりメッセージ】
私は2008年のラクオリア創薬の創業メンバーの一人です。ファイザー株式会社中央研究所の研究所長(いずれも当時)を中心に、「創薬研究に特化したスピンオフベンチャーを起業する」という、日本ではほとんど前例のない「新会社設立」というスキームに賛同・参画し、中央研究所の閉鎖と新規企業の立ち上げという相反する作業を同時並行で進行させるという、非常に困難な挑戦に携わりました。
「ラクオリア創薬」と名付けられた新会社は、2008年の創業からわずか3年、2011年7月に大阪証券取引所(当時)JASDAQ市場に新規上場を果たしました。しかしながら、通期業績予想の下方修正を余儀なくされるなど、厳しい経営環境が続いたことにより、2012年に代表取締役の異動(社長交代)が決定しました。谷社長への新体制移行後には創薬研究部門長を拝命し、イオンチャネル創薬力をコア技術とした少数精鋭の"プロの創薬研究集団"の構築に向けて鋭意努力してまいりました。
当社の創薬研究からは、5-HT2B拮抗薬、モチリン受容体作動薬、グレリン受容体作動薬、TRPM8遮断薬といった複数の新規開発候補化合物を創出することに成功しました。またイオンチャネル領域においては、主に製薬企業との共同研究を進め、Eli Lilly and Company、旭化成ファーマ株式会社、EAファーマ株式会社、あすか製薬株式会社等との間で共同研究契約を締結し、共同研究により創出された複数の薬剤候補化合物が前臨床開発段階以降に進んでおります。
2014年には、名古屋大学に産学協同研究部門を設立し、創薬研究機能の一部を名古屋大学東山キャンパス内に移転することを決定しました。当社研究員が名古屋大学の最先端の研究成果にアクセスすることで、アカデミアとのシナジーを最大限に発揮できる体制を充実させ、効率的な研究開発体制の構築を行いました。このような産学連携強化施策により、名古屋大学や中部地区を中心とした大学との間で延べ18件の共同研究を実施することができました。研究の詳細についてはここでは述べることができませんが、共同研究の成果として、心不全治療薬候補化合物等の創出に成功しております。
私は、今後も当社が有する世界トップレベルのイオンチャネル創薬力を中核にして当社グループの創薬力を強化していくとともに、経営面においても副社長という立場から全社的な業務執行に関してもより一層関与を強めることで、当社の1年後、3年後、10年後の更なる成長を目指すとともに、企業価値向上に向けて尽力してまいります。一刻も早くラクオリア創薬発の新薬を患者さんへ届けられるよう邁進してまいります。
【略歴】
氏 名 |
渡邉 修造(わたなべ しゅうぞう) |
生年月日 |
1967年5月15日 生 |
略 歴 |
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1986年3月 |
愛知県立半田高等学校 卒業 |
1990年3月 |
静岡大学農学部農芸化学科 卒業 |
1992年3月 |
静岡大学大学院農学研究科農芸化学専攻 修了(修士) |
1992年4月 |
ファイザー製薬㈱(現ファイザー㈱)入社 |
2002年3月 |
岐阜大学連合農学研究科生物資源科学 修了(博士) |
2005年4月 |
ファイザー㈱ 中央研究所 生物科学研究統括部 主任研究員 |
2006年12月 |
同社 中央研究所 生物科学研究統括部 主幹研究員 |
2008年7月 |
当社 入社 |
2012年10月 |
当社 執行役員(創薬研究担当) |
2016年3月 |
当社 常務執行役員(創薬研究担当) |
当社 取締役(現任) |
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2017年4月 |
テムリック㈱ 取締役(現任) |
2020年10月 |
当社 副社長執行役員(創薬研究担当)(現任) |
以上