2020年8月24日、HK inno.N Corporation(韓国、以下「HKイノエン社」)は、当社が導出した胃食道逆流症治療薬tegoprazan(韓国販売名:K-CAB®、以下「K-CAB®」または「tegoprazan」)につきまして、第Ⅲ相臨床試験(フェーズ3試験)に関する論文が掲載されたことを公式に発表しましたのでお知らせいたします。

本論文は、世界的に評価の高いトップジャーナルが登録される学術データベースであるSCI(Science Citation Index)にも収録されている、国際医学学術誌AP&T(Alimentary Pharmacology&Therapeutics(ISSN:0269-2813 ))に掲載されました。

本論文では、tegoprazanのフェーズ3試験のうち、胃潰瘍に関するlansoprazole (プロトンポンプ阻害剤<PPI>の一種) との比較試験結果が報告され、tegoprazan 50 mg、100 mgの各投与群でいずれもlansoprazole 30 mg群に対する非劣性が検証されました。本試験における安全性に関して群間での差はありませんでした。

当社はHKイノエン社との間で2010年9月にtegoprazanの東アジア地域を対象とした開発・販売及び製造に関する独占的ライセンス契約を締結しており、当社はHKイノエン社より、K-CAB®の韓国における製品販売高に応じた一定料率のロイヤルティ収入を受領します。

両社は今後もtegoprazanの価値最大化に向け、より一層連携を強めてまいります。また両社は世界各地の多くの患者さまに同薬を届けることにより、消化器疾患治療の選択肢を広げ、患者さまの生活の質(QOL:Quality of Life)の向上に貢献してまいります。

以上

【ご参考】

HKイノエン社の公式発表は、HKイノエン社のホームページをご覧ください。

今回発表された論文は以下になります。(オープンアクセス論文)

Yu Kyung Cho, Myung-Gyu Choi, et al."Randomised clinical trial: tegoprazan, a novel potassium‐competitive acid blocker, or lansoprazole in the treatment of gastric ulcer" Alimentary Pharmacology and Therapeutics, 52(5), 789-797. doi:10.1111/apt.15865

(注)下記資料は、2020年8月24日付で公表されたHKイノエン社のプレスリリースの日本語抄訳です。この資料の正式言語は韓国語であり、その内容およびその解釈については韓国語が優先します。

プレスリリース

2020.08.24

HK新薬K-CAB®の胃潰瘍の臨床試験結果がSCIレベルの学術誌に掲載

- HK inno.Nの胃食道逆流症新薬「K-CAB®」の胃潰瘍の臨床試験結果を「AP&T」誌に掲載

- 胃潰瘍患者を対象としたP-CAB系「K-CAB®」とPPI系ランソプラゾールとの比較試験

- K-CAB®、びらん性胃食道逆流症に続いて胃潰瘍の論文を相次いで掲載

HK inno.N(旧CJヘルスケア)の胃食道逆流症新薬「K-CAB®」の胃潰瘍を対象とした第Ⅲ相臨床試験結果に関する論文が、SCIレベルの医学ジャーナルであるAP&T(Alimentary Pharmacology&Therapeutics(ISSN:0269-2813) )に掲載された。昨年のK-CAB®のびらん性胃食道逆流症を対象とした第Ⅲ相臨床試験結果の論文に続き、胃潰瘍を対象とした論文が国際的学術誌に掲載され、世界の舞台で新規メカニズムの胃食道逆流症新薬の有効性と安全性が認められた。

国際的学術誌であるAP&T誌に、胃潰瘍患者を対象として、P-CAB系新薬K-CAB®(一般名:tegoprazan)とPPI系のランソプラゾールとの間で有効性と安全性を比較した第Ⅲ相臨床試験の結果が掲載された。

本臨床試験では、韓国国内で胃潰瘍と診断された306人の患者を、二重盲検無作為化割付にて、K-CAB® 50 mg(n=102)、K-CAB® 100 mg(n=102)、ランソプラゾール30 mg(n=102)投与群に分けて8週間行われた。

その結果、胃潰瘍治療の有効性と安全性においてK-CAB® 50 mg群と100 mg群は、ランソプラゾール30 mg群に対して非劣性が検証された。

今回、K-CAB® の臨床試験結果が掲載されたAP&T誌は、ジャーナルの影響力指標であるインパクトファクター(Impact Factor)が7.515であり、高い指数を保有しているSCIレベルの世界的な医学雑誌である。

HK inno.Nの関係者は「今回の論文掲載により、P-CAB系胃食道逆流症新薬K-CAB®の有効性と安全性が世界的に認められた」とし「適応症の拡大と差別化の研究を継続して進め、グローバルの舞台で活躍する大韓民国新薬に育てたい」と述べた。

K-CAB®は、P-CAB(Potassium-competitive acid blocker)系列の胃食道逆流症治療薬として、2019年に韓国国内で発売された。びらん性および非びらん性胃食道逆流症、胃潰瘍に続いて、ヘリコバクターピロリ除菌療法まで四つの適応症を有している。

K-CAB®は、既存のPPI(Proton Pump Inhibitor;プロトンポンプ阻害剤)に比べ薬効が急速に現れ、食前・食後に関係なく服用が可能であること、そして優れた薬効持続力により夜間の胃酸分泌を抑制することなどの特長により、胃食道逆流症治療薬市場で急速にシェアを広げ、今年1月から7月までの院外処方データ(UBIST基準)で374億ウォンの実績を記録した。韓国国内および中国、東南アジア、中南米諸国など計23カ国に進出しており、最近では米国での第Ⅰ相臨床試験が承認された。(終わり)

[参考]

-論文タイトル:Randomised clinical trial:tegoprazan、a novel potassium competitive acid blocker、or lansoprazole in the treatment of gastric ulcer

-著者情報:第一著者・ソウル聖母病院Yu Kyung Cho教授/責任著者・ソウル聖母病院Myung‐Gyu Choi教授

-患者群:胃潰瘍患者(n=306)

- SCI:Science Citation Index; 科学技術論文引用索引

- K-CAB®国内院外処方データ(出典2020UBIST):1月〜7月の累計373.6億ウォン